誰にも会わない富士山
富士山精進口1合目から5合目まで、青木ヶ原からの道を歩く。ここが富士山?というような樹林帯で上部は倒木も多く、1パーティにも会わないという静けさ。8月最後の土日だというのに。
木風舎のツアーなので、自然の変化の説明を受け、なるほどとあたりを見回す。
溶岩の上にまずコケが生える。コケは根ではなく全体で養分や水分を得る。だから岩の上でも大丈夫。そこに広葉樹がちいさな芽をだし、やがて森になっていく。最初はカエデ、そして次はブナ。ブナ林になると樹林帯は安定し、やがて針葉樹も。
圧巻は4合目あたりの一面のコケ。北八ツに優るとも劣らない。
やがて富士山が姿を現す。
この日は5合目の奥庭泊りというのんびり行程。
奥庭側の富士山は赤い土が良く見え、夕日が当たるとほんとうに赤富士になるらしい。
この日は富士山は晴れていたが、夕日に雲がかかり、薄っすらとした赤富士にしかならなかった。
翌日はお中道を通って5合目吉田口に。
噴火による火山礫に最初に生えるのが、オンタデ。根は2〜3mにも及ぶらしい。それによって土が流されなくなると、カラ松などが育つようになる。
オンタデの周りに徐々に木が育ってくる。オンタデに守られている感じ。
大昔富士山に登ったとき、あまりにも殺風景なのにがっかりしたが、今回山の成り立ち、植物の変化を知ると、見方が変わってきた。富士山は緑の山になろうとしている。その一方で崩壊もすすむ。そのうち噴火するかもしれない。
自然は常に変化していることが実感できた、興味深い山行だった。